MS-DOSの話しに入る前に、少しディスクについて説明します。
 みなさんは、フロッピーディスクを壊して中身を取り出して遊んだことはありますか?やったことがない人は、是非やってみてください。すると、中には、つるつるした薄いビニールのような円盤が入っています。これが「ディスク本体」です。
 こんな狭い円盤の中に、日本五文字(全角)で60万、点訳データで1000ページ以上もの多くのデータが入るのです。私は、これが最初とても不思議でした。
 この円盤の表面委は、磁性体と呼ばれる磁石の粉のようなものが塗ってあり、基本的にはビデオテープやMDディスクと同じようなものです。ですから、間違っても磁石を地かずけ足り、スピーカーの上などの磁力を浴びる環境にはおいてはいけません。
 この狭い円盤の上に、いろいろなデータが書き込まれていきますが、これらのデータは、連続して書き込まれるわけではありません。
 いろいろなデータが入っているディスクに何かを書き込もうとする場合、パソコンはそのディスクのどこがあいているかを見つけ、穴を埋めるように適当に、そしてバラバラにデータを書き込んでいきます。そして同時に、「どんなデータをどこに書き込んだか」という情報を、これまた別の場所に書き込むのです。そのおかげで、巻き戻しや早送りをすることなく、使いたいデータをすぐに取り出すことができるのです。このような方式を「ランダムアクセス」といったりします。

なぜはじめからこんなことを言うかといいますと、よくやらかす失敗で、ワープロなどで文章を書いているとき、彼女から電話がかかってきたからといって、そのままパソコンの電源を「ぷつん…」というのがあります。そして彼女との電話を終えてあなたに待っていたのは、「今までせっかく苦労して書き上げたデータはどこへやら・・・」という、悲しい現実なのでありました。
 ふつうワープロソフトやエディタは、起動すると「データの始まりはここから」と記録します。そして、正常にこれらを終了すると、作成したデータと共に「このデータはここまで」という情報も、同じディスクの別の場所に書き込みます。
 これで次にこのデータを呼び出したときには、パソコンが「あれっ…どこへやったっけなあ・・・」と迷わずにすむのです。
 しかし、上のようなことをやらかすと、その結果は、データのスタート地点は記録されていますが、データ本体はおろか、その終点も記録されてはいませんから、あなたのパソコン君は「あれっ?これは何だ…ぼくにはさっぱりわかんないよーーー・・・」と路頭に迷ってしまい、結局エラーメッセージを出すことになってしまうのです。

 Windowsでは、あなたの知らない間に、作業ファイルと呼ばれるファイルをハードディスクに書き込みます。これはMS-DOSでも同じ事ですが、Windowsのそれは、MS-DOSのそれより大規模かつ頻繁に行われます。これが「Windowsは正しく終了させなければいけない」理由ではないでしょうか?
 でもMS-DOSの場合はシステムがシンプルな分、機動すらできなくなったり、システムが破壊されて動作がおかしくなったりすることがないのです。もしあったとしても、操作していたファイルの一部が壊れるぐらいでしょう。

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